LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■思わぬ邪魔

コポコポと気泡が出来る鍋…
それをじっと見ながら俺は考えていた

奈穂の事を…

『何の疑いもなく来るなんてな…』

勿論、猫を見たいと言ったのは口実
奈穂さえ来ればよかった

つい先日、興味をもった凌辱
試すのに奈穂はうってつけの人間だ

嫌われた所でコチラにダメージは無い
奈穂に恋愛感情なんてカケラもないから…

『はい、熱いから気をつけて』

リビングでご丁寧に正座する奈穂の前にお茶、トラの前にはミルクを置く

すると奈穂はニコッと笑みを見せて受け取った

『…ね、不安じゃないの?』
『へ?』

俺の言葉に奈穂は「何が?」という感じに顔を上げる

『一人暮しの男の家にノコノコ来るなんてさ』
『真…中くん…?』

奈穂はただならぬ気配を感じたのか、後ずさるがもう遅い

俺の腕は奈穂の頭を完全に捕えていた

抱えられるように頭を抱かれ奈穂は後ろに逃げる事すら出来ない

そして一瞬、悲鳴に似た声を上げたようにも思えたが無理矢理に唇を重ねた

『やッ…!!』

予想通りの反応
奈穂は必死に俺の胸板を叩いて抵抗した

馬鹿な女
それは逆に俺を喜ばす行為だと知ってる…?

グッと閉じられた奈穂の唇を割り慣れたように口内に侵入する

奈穂の舌を歯茎を上あごを…

届く所を全て舌で攻めた

『…ッ…』

奈穂の頬に大粒の涙が一つ線を描いて落ちる

薄目でそれが見えたら、もう抑えきれない欲望に溢れ奈穂の体を床に押し倒した

《ガチャン!!》

同時、奈穂の足が机に引っ掛かり置いてあったコップが床で割れた

視界の隅に灰色の物体がヒュッと横切っていく

音に驚いたトラが猛スピードで窓から逃げてったのだ

『ヤベ…』

ここは賑やかな駅前…
あんな子猫、すぐにひかれてしまう

『あいつ外に出た事ある?』
『え? あ?』

状況がつかめない様子で戸惑っている奈穂

『トラ! あいつ窓から逃げてった』
『え?! 駄目! まだ外に出した事ないんですよ!』

猫くらいでボロボロ泣くなよ
めんどくせー…

『捜してくるから床拭いといて』

俺は見るに見かねてキッチンのタオルを手に取ると奈穂に投げ付けた
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