LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■傍に

奈穂はしばらく泣き続けた

溢れる涙を腕で拭う
しかし量が多すぎてシャツが透けていた

鼻水だって出てるのに…
何だか可愛くて目を反らせなかった


『ごめんなさい… 私ばっかり泣いて…』
『ううん、やっぱ引く? 記憶がないなんて…』
『引かないです!! 引くわけ…ッ』

奈穂はそう言って顔を上げる
俺はそれを狙って奈穂にキスをした

『…ッ…』

そして背中に回した手で、下着のホックを外す

下を見れば奈穂の空いた胸元が見えた

『こッ 恐いです…』
『恐い? 俺が?』
『痛いっていうし…』

真っ赤になって上目線で見る奈穂の首筋にキスをする
唇を離した時、ピンク色の丸い印が着いた

俺のものって印…
他の誰にも見せれないよう、思い思いに印を残す

『痛くしない…』

そして小さな約束をした

だからね?
そろそろ俺のモノになろう?


『奈穂… ベッド行こうか』

笑顔で言う俺に奈穂は真っ赤になって小さく頷いた

可愛い…
いつからかカワイイから可愛いに変わってた



小さくて細い体を抱き上げてベッドに下ろす

それと同時にシャツを脱ぎ捨てる

奈穂を強く抱きしめ、キスをした
硝子細工を扱うよう、大切に…


暖かくて柔らかい…

誰よりも今、傍にいる
寂しさが紛れる

『奈穂… ずっとここにいて?』
『洋…くん…ッ?』

この一瞬だけでなく…
ずっと傍に…
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