蒼空Letter
『別ニイイケド。ツキアッテモ』
頭の中でその言葉がグルグル回る。
吐きそうだ・・・。
どうして?
「死神」、まだあたし何も話しかけてないよ。
耳が正直だったから罰を当てたの?
彼の事を好きな子がいて、友達に頼んで、彼はあっさり承諾した。
あたしそんなに悪い事した?
好きになったから?
だから「死神」、これ見よがしにあたしの前で絶望を味合わせたの?
あたしが望む事ってたいした事じゃないんだよ?
ただ、普通に話がしてみたいってだけだよ?
彼の声があたしの問いや何気ない会話に答えてくれるだけでいい。
それがそんなに悪い事なの?
(嫌だ、泣きそうだ・・・どうしよう)
顔が見えないように手で覆う。
その時、肩に手が触れた。
驚いて見ると、彼があたしの肩を掴んでる。
「柏木、大丈夫か?顔色悪いぞ?」
彼があたしを呼んだ・・・。
『柏木さん』じゃなく『柏木』って。
それだけでも嬉しくて、本当に嬉しくて、
あたしは頷く事しか出来なかった。