蒼空Letter

案の定、暴れて具合が悪くなったあたしは保健室。


三上さんの長い爪で顔を引っ掻かれて、明日香がため息をつきながら消毒してくれた。


「ごめん・・・」


明日香に言うと「いいよ、景子が悪い。わかってるよ」と言われた。


「景子はね、ソウちゃんの事まだ好きみたいだからさ。だたの嫉妬だよ、それをキレるなんてルウコどうしたの?」


消毒が終わってオデコに絆創膏を貼られた。


「前髪で隠れるからOKでしょ」


「あの子、ソウちゃんと・・・」


と、言いかけたらボロボロ涙が出てくる。


「え?どうした?」


明日香がビックリしている。

あたしは明日香の前ですらほとんど泣いた事がない。

ってより病気になってから泣いたのって初めてかも。

泣きそうな事はたくさんあったけど、心が凍ってたから涙は出る前に止まってしまうから。



明日香が肩に手を乗せて優しく笑った。


「ソウちゃんとヤったって話?あれウソだよ。景子が勝手に流してる噂」


「え?」


「飲み会があったのは本当。でも、みんながいる所でそんな事するような人なの?あんたの彼氏は」


「そんな事しない・・・と思う」


泣きながら首を振ると「でしょ?」と明日香が笑った。


ソウちゃんはそんな人じゃない。

あたしだってそう思ってる。
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