蒼空Letter

「フラフラしてるけど、本当に大丈夫なのか?」


昼休みの終わりにソウちゃんが玄関まで送ってくれた。


「うん。貧血だから、大丈夫だよ」


靴を履き替えようとしたけどよたついてソウちゃんが支えてくれた。


「三上さんの事だけど・・・」


あたしが言うと笑いながら「疑ってる?」と言われた。


「そうじゃなくて・・・」


「あぁ、普通みたいだよ?バカでしょ、うちのクラス」


(それなら良かった)



ソウちゃんからカバンを受け取ってしげしげと見つめてしまう。


「ん?」と優しく笑っている。



(経験ないワケがない・・・って朝からずっとあたし何考えてるんだろ)


でも、何だか人肌恋しいっていうか・・・って人肌を知らないけど。



周りを確認するといい感じに人には見えない角度。


思い切ってソウちゃんにギュッと抱きついた。


「え!?」ってビックリしてたけど、優しく抱きしめ返してくれた。



お母さんが待つ車の前までフラフラしながら歩きながら、


(あたしって盛りのついた犬みたい)


と自己嫌悪。


でも、ソウちゃんってお陽様みたいないい匂いがした。
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