蒼空Letter

そのまま病院へ直行すると、笹井先生がいつも通りな涼しい顔。


「不整脈が出てるけど、何か激しく動いた?」


「激しく!?何その表現!!」


「え?ボクは普通に聞いただけだよ?」


(あたし昨日からエロイ事に敏感になっている)


「そうだよね!あたし何言ってんだろ?」


笹井先生がジーっとあたしを見る。それからそばにいるお母さんに言った。


「ちょっとルウコちゃんとお話したいので席を外してもらえますか?」


お母さんは納得いかない様な顔をして診察室から出て行った。


「何でお母さんを出したの?」


「だってルウコちゃんも思春期でしょ?何か聞きたい事あるんじゃない?」


あたしから視線を外してデータでも入っていそうなPCを見ている。


「あの・・・彼氏が出来まして・・・」


「よかったねー」


「で、お年頃なので、その・・・えーと、つまりですね・・・」


「セックス出来るかって話?」


(すっげー直球でくるよな、いつもいつも)


笹井先生は普通だけど、あたしは真っ赤になる。


「そうだね・・・、ルウコちゃんも17歳か。だったら言ってもいいかな?」


「何が?」


「ルウコちゃんの持病は治らないけど出産は出来るよ。その代わり、帝王切開だけどね」


「それって、ヤってもいいって事?」かなり下品な言葉で返す。
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