蒼空Letter

「まぁ子供を作るにはその方法が一番無難だから問題ないよ」


ちょっと自分が「普通」の枠に入れた気がして嬉しかった。


「それで聞きたいんだけど、彼氏は病気の事知ってるの?」


その言葉にうつむいてしまう。


「言う言わないはキミの判断だからまかせるけど、今時なって言ったらおかしいけど男の子にはちょっと重たいかもしれないね」


「うん・・・、聞いてビックリされて引いて去って行くのが怖いから言えない」


ペンをクルクル回しながら笹井先生が言った。


「とりあえずは黙ってたら?言えそうな気持ちになったら言えばいいんだし。きっと隠してたな!なんて責めないよ。大事な事だし悩むのは当たり前」


笹井先生が立ち上がって「お母さんに不審に思われるから呼ぶよ」と言ってから「あ、忘れてた」とまたあたしの方を見た。


「一応2日入院だから。それと何で激しく動いたかを知りたいんだけど」


「えー、入院とかマジ無理!!」


あたしが足をバタバタさせて文句を言うと苦笑いをした。


「で、不整脈の原因」


「クラスの子をボコボコに殴る蹴るをしたから!」


「え?・・・昔から気が短いのは変わってないのか。ボコボコになる喧嘩は今後禁止だからね!」


ドアを開けて「お母さんどうぞ」と声をかけている。


(ボコボコになんかしないよ、全く・・・)



あたしの検査入院の説明を聞いてもお母さんは普通。

家族全員が普通なんだよね。慣れてるから。



ソウちゃんにいつか言わないといけないのか・・・。

何て切り出せばいいんだろう?
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