蒼空Letter
目が覚めると病院で、よくドラマや本で読む様な白い天井が本当に目に入った。
「ここは・・・?」とは思わなかったけど。
窓側に顔を向けると真っ暗で夜なんだとわかった。
逆側を見ると、椅子の上にちょこんと座った妹の流海(るみ)が漫画を読んでいた。
流海は小2。目を覚ましたあたしになんて気付かないで漫画に夢中。
「ルミ?お父さんとお母さんは?」
あたしが声をかけた事にビックリして本を落としてしまった。
「お姉ちゃん、起きた?」
「うん。さっき」
「じゃあ押していいだよね?」
「何を?」
ルミはあたしの枕元にあるナースコールのボタンを押した。
『どうしました?』看護士の声。
「お姉ちゃんが起きました!」
『すぐ行きますね』
あぁ、ルミはナースコールのボタンを押したかったのか。
「でさ、ルミ。お母さん達は?」
もう一度聞くと、落ちた漫画を拾いながら言った。
「大事なお話があるってずーっと前からいないよ。お腹空いたなー」
大事な話?
学校でぶっ倒れただけじゃん。