蒼空Letter
ソウちゃんの家はウチの無機質なグレーなデザイナーズ住宅とは違って、茶色いお菓子の家みたいに可愛らしい家だった。
家と隣接している美容室もガーデニングいっぱいな入り口ですごく温かい。
ドアを開けてくれたソウちゃんが「どうぞー」ってのんびり言った途端に
「ルウコちゃん!!いらっしゃーい!!」
ってまさにソウちゃんを女にしたそっくりな可愛い小柄な女の人が笑顔でソウちゃんを押しのけた。
多分、ソウちゃんのお姉さん。
そして足元には4匹の犬があたしをグルグルと尻尾を振って取り囲む。
一番奥に、ちょっとふっくらした肝っ玉母ちゃんみたいな笑顔のソウちゃんのお母さんがいた。
「は、はじめまして!!柏木流湖で・・す」
言い終わらないうちにお姉さんに腕を引っ張られてグイグイと中へ連れ込まれる。
「あの!お菓子、お菓子を・・・!!」
「そんなの後でいいって!入って!!」
完全にお姉さんのペースでリビングまで入ってしまった。
ソウちゃんに目を向けると呆れた顔。
お姉さんがそのままあたしをソファーに座らせた。
(顔は同じなのに性格真逆じゃない?)
ビックリしたままのあたしの膝の上に犬がわらわらと・・・。
「あたし高柳瑠璃(るり)。ソウの4こ上の姉でーす」
元気すぎるぐらいな笑顔で挨拶された。
改めて自己紹介をしようと思ったけど、瑠璃さんが勢いよく喋り倒す。
「いやー、本当にキレイな子だよね!ソウにはもったいなさすぎ!!」
呆気に取られて笑う事しか出来なかった。