蒼空Letter

「ルウコ、謝る必要ないから」


ソウちゃんに言われたけど、あたしは頭なんか上げる訳にはいかない。


「ごめんなさい・・・、大事な息子さんに負担をかけているんです、あたし。本当にごめんなさい・・・」


泣くなんて絶対しちゃいけないのに、下を向いていたら申し訳なくて、

そしてまた「何であたし病気なんだろう」って思ってしまって、

悔しいのと悲しいのが一気に溢れて涙がボロボロと出てしまう。



あたしが普通だったらもっと違うはず。

普通だったらソウちゃんだってずっと楽なはず。

ちょっとイタズラでお酒を飲んじゃってもあんなにパニックになんかならない。

初めての時に不安な顔なんかさせなかった。



どうしてあたしは普通じゃないんだろう・・・?



そんな事思っても現実は普通じゃないのに、ソウちゃんのそばにいれて幸せだけど、いつもいつもそれが頭をよぎる。

ソウちゃんと目が合って優しく微笑まれる度に、


『ごめんなさい』


どうしても思ってしまう。



悔しくて悲しくて・・・すごく辛くて、

辛いのなんてあたしだけでいいのにソウちゃんにまで辛い思いをさせている。


まだ出会っていない頃のバカな事をした手首の傷を見て怒ってるけど悲しそうだたソウちゃんにただただ申し訳ない気持ちがいっぱいで苦しい。



そう思っていたら、


「ルウコちゃん、謝る事は何もないのよ」


とすごく優しい声が聞こえて思わず顔を上げた。


ソウちゃんのお母さんがニッコリと笑っている。
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