蒼空Letter
実感がなかったあたしに理解させようとするのか、入院中に何度も発作を起こした。
酸素マスクを付けられて心音のピ、ピ、って音が早くなる。
(苦しい、マジ死ぬかも・・・)
そんな1ヶ月の闘病生活。
発作も何とかおさまりだしたのは薬が合っているせいかもしれない。
もうすぐ退院って時に笹井先生が、両親とあたしを呼んで話し始めた。
「やはりルウコさんは○○○性突然死症候群でした」
それはあたしにとっても家族にとっても死刑判決みたいだった。
黙って下を向く両親。
せめて無期懲役くらいにはなってほしいと思って、あたしは賭けに出た。
「先生、あたしは友達や同じ歳の子と同じくらいに長く生きられますか?」
先生はしばらくペンを持ったまま考えてたけど、
「キミは同世代のみんなよりも早く死んでしまう。奇跡がない限り」
頭の中にはキリストやお釈迦様ではなくドクロの鎌を持った死神がゲタゲタと笑っている感じがした。
あたしについている「神様」は最悪な「死神」だ・・・。
そう理解した瞬間、色のついていた風景が一気にモノクロになった。
たった13年しか生きていないあたし。
あたしの人生にはいつかわからないけどタイムリミットが出来た。
これから先の人生は「余生を送る」そうなったらしい。