蒼空Letter
近々、ミサちゃんも含めて遊ぼうと盛り上がっている中、ソウちゃんは雑誌をずーっと見ている。
何の雑誌かな?とちょっと覗いたら、女の子の雑誌。
「ソウちゃん、それ女の子の雑誌だけど・・・」
不審に思って聞いてみたけど「明日香に借りた」ってだけ言ってまた視線を雑誌に戻した。
「読んでたら『貸して』って言うからさ。何かルウコにくれるんじゃない?」
明日香はそう言うけど、あたしの誕生日はすっかり終わっているしクリスマスまで相当あるし、もらう理由がない。
「いや、それはないと思うけど・・・」
あたし自身もソウちゃんに何かあげる機会を見事に逃しているし。
誕生日はいつ?って話題をソウちゃんの家に遊びに行った時に聞いたら、付き合ってすぐだった。
「気が付いたら終わってた」って笑っていたけど、あたしにしたら大失態だ。
だからクリスマスこそはちゃんとあげたいな、と考えている。
それに読んでいるページは明らかにコスメ特集。
「化粧って面倒くせーな」と言って雑誌を閉じた。
あたしも明日香も元々化粧バッチリなタイプじゃない。
一応それなりにはしているけど、あたしはメイクが得意ではなし。
明日香は「素がいいから」と言って明らかに面倒なだけだと思う。
ソウちゃんもあんまりバッチリメイクが好きじゃないみたい。
もうスッピンも見られているから別に平気だけど、「化粧しなくていいんじゃない?」と言われた時にはさすがに抵抗したけど。
スッピンなんていくらメイクが薄くてもキツいものはキツい。
そんなソウちゃんが何でメイク特集の雑誌を見ていたかよくわからない。
ソウちゃんから受け取った雑誌を開いてみる。
『女度UP特集&このメイクにはこのアクセで決まり!!』
デカデカと書いている特集にあたしは益々首を傾げた。