蒼空Letter
そんな下らないハプニングがありながら卒業式が何とか終わって教室に戻る。
「ソウちゃん、ごめんね」
ルミのアホな行動を謝ると「別にいいよー。ルミだし慣れてるし」と笑いながら言った。
戻る途中で「柏木家」と遭遇して真っ先にルミの頭を叩いた。
「痛い!バカ!!ブス!」とルミは悪態をついたけど、そんなルミを無視してお母さん達に聞いた。
「何で一家で来るワケ?恥ずかしいじゃん」
「何だかルウコが高校を無事卒業出来ると思うと嬉しくて」
お父さんはニコニコして言った。
「あのねー、来ない人の方が多いんだから。しかもルミ連れてくるなんて!」
あたしが文句を言ってる最中、「あら、ソウちゃん」とお母さんはあたしを無視してソウちゃんに手を振っている。
幹太くんと喋っていたソウちゃんがニッコリ笑って頭を下げた。
幹太くんは初めて見るあたしの家族に興味津々そうに「こんにちは!」と元気に挨拶した。
「こんにちは。えーと・・・」
お母さんがあたしを見たから、
「友達の中川 幹太くん」と答えた。
「中川です。はじめまして!ルウコちゃん、妹さんは何ちゃん?」
「ルミだよー!幹太、よろしくね」
あたしが答える前にルミがまた生意気な口をきく。
「ルミ!あんたいい加減にしなさいよ!」
「幹太でいいよ。ルミちゃんオレとも仲良くしてね」
幹太くんがニコニコ笑う。
「いいよ。ソウちゃんより幹太の方がイケメンだね、彼女いんの?」
失礼なルミから引き離すように2人と教室へ急いだ。