蒼空Letter
クラスのみんなで写真を撮って、教室を4人で出ながら会話。
「みんなで『せーの!』で校門出よう」
幹太くんの「何時代?」な意見に全員で『却下』。
「なんだよ、青春だよ!青春!」
「1人でやれば?あたし達はそれを生暖かく見守ってあげるから」
明日香が笑顔で言った。
「いいよ!それより『写真一緒に撮ってくださーい』って誰にも来ないな」
「そうね、幹太やルウコあたり来そうな感じがしたけど」
明日香の言葉と同時に「柏木さん!」と声がした。
「そーら、来た。・・・って女の声?」
一瞬はしゃいだ幹太くんが首を傾げた。
振り返ると三上さんがあたし達の後ろにいた。
三上さん、ソウちゃんを好きだった子。
あたし体育の時間に殴り合いの喧嘩したんだよね、確か。
「え?」
あたしが返事をすると三上さんは気まずそうに言った。
「あのさ、ソウと写真撮ったら怒る?」
「ソウちゃんと?」
ソウちゃんを見ると不思議そうに三上さんを見ている。
「何であたしに断るの?撮ればいいんじゃない?ソウちゃん、撮ってあげなよ」
三上さんがホッとしている。
「また柏木さんに殴られるかと思った」
その言葉に全員で笑ってしまった。