蒼空Letter
「あら、高柳ご夫婦いらっしゃい」
玄関まで出迎えてくれたお母さんがニヤっとして言った。
今日の昼間まで「柏木」だったけど、もう「高柳」なんだよね。
「エヘヘ、ただいま!もうみんな揃ってるんだね」
並んでる靴の数を見て言った。
「お邪魔しまーす」
ソウちゃんが靴を脱いで、2人でリビングへ向かった。
お父さんとソウちゃんのご両親が出前したっぽいお寿司を食べながら話をしていて、リビングのソファの前で瑠璃ちゃんとルミが何かを真剣に話ている。
「お邪魔してます。ソウ、ルウコちゃん、おめでとう!」
ソウちゃんママが笑顔で言ってくれた。
「ありがとうございます。・・・って、お父さんベロベロじゃん!恥ずかしい」
顔を真っ赤にして何だかソウちゃんパパに絡んでいる。
「あー、いいのよ。ルウコがお嫁に行ったのが寂しいってずーっと言ってるだけだから。無視無視、2人共お腹空いたでしょ?そこらへんにある食べ物適当に食べて」
お母さんが呆れながら言った。
「で、ウチのバカ姉とルミは何を話し込んでるんすか?」
ソウちゃんが2人を指差した。
「恋愛相談だって。ルミもそんな年頃なのねぇ、ルウコみたいに奥手ではないみたいでそれも心配だけど」
「ウチの姉に聞いてもロクな事ないと思うんですけどね」
ソウちゃんが呆れながら真剣に話し込んでる2人を見た。
(どんな話かな?)
ちょっと興味があって参加しようと思ったら、「ルウコぉ!おかえりぃ!!」とお父さんが涙目で言ってきた。
酔っぱらいはタチが悪い。