蒼空Letter
「うーんと高柳ツナミでーす。来ましたよー」
ポクポクとと音を立てて木魚を叩いている。
段々リズミカルになっているからボクは思わず注意した。
「もうポクポクするの終わり。仏様もうるせーって怒ってる」
「何で?父ちゃん仏様と喋れないじゃん」
(イチイチ生意気な事ばっかり言いやがって・・・)
そのタイミングで住職がお茶とカステラを持って来てくれた。
「はい、ツナミちゃんカステラもどうぞ」
「わーい!いただきまーす!」
木魚から離れてテーブルの前に座った。
「すみません。図々しくお邪魔してしまって。いつものをお願いに伺っただけなんですが・・・」
「いいんです。たまにはゆっくりお話しませんか?ツナミちゃんともお母さんのお話をしたいといつも思ってました。大きくなりましたね?もう・・・8歳かな?」
「うん。8歳だよ!2年生なの。ママの話って?」
カステラを食べながらツナミが言った。
「そうだね、ママは天国で今修行をしてるんだよ?仏様のお弟子さんなんだ」
「修行?超カッコイイ!!何やってるんだろう、変身の術とかかな?」
「アホ、そんな修行じゃねーよ」
住職は大笑いしている。
「一生懸命頑張ると『とくを積む』と言いまして、ご主人やツナミちゃんの守護神になります。沢山とくを積んだ人には大きな力がありますから。もし誰かが大病にかかっても守ってくれたり・・・」
へーっとボクは感心して聞いてたけど「ママすごいじゃん!」とツナミはケラケラ笑っている。