蒼空Letter

(こんな近くの席、初めて・・・)


ドキドキしながら23番の席に座る。



2学期になってからこの選択教科が始まって、あたしはすぐに明日香に頼み込んだ。

『サッカー部の高柳 蒼の選択教科が知りたい』と。

自分で調べようと思ったんだけど、担任にそれとなーく聞いてみたら

「何言ってるんだ?高柳?何で知りたい?」

って呆れた顔で言われて調べる事が出来なかった。

だから明日香に3組の女子に聞いてもらえるようにお願いをした。



だって、あたしには明日香以外に友達がいないから。


入学した時、友達出来るかな?と真っ暗闇な自分の世界でも友達が出来れば少しは違うかな?って淡い期待をした。


でも、結果はなぜか敬遠される存在となって、あたしは浮いているようだ。

結構人見知りする方だけど、頑張って自分からも話掛けてみた。

結果、あたしは入学してから今までクラスの女子・・・いいや、学年の女子全員に未だに『柏木さん』と呼ばれている。

あたしに話掛けてくれる子なんてほとんどいない。

中学から一緒なのは明日香だけ。

奇跡的に明日香と同じクラスになれて助かっている。


快活な明日香はたくさん友達がいる。

あたしだって暗い方じゃないはずなのに・・・。


「柏木さんって体育いつも見学出来ていいよね」


そう言われた時、クラスの子はあたしをあまりいい様に思ってないってわかった。


体育を見学が羨ましい?


ふざけんじゃないわよ。

あたしはあなた達が羨ましい。

あたしはただ『普通』を願っているのに・・・。


神様はどうして平等じゃないんだろう。
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