蒼空Letter

「1人ってつまんねーだろ?」


パンを食べながらソウちゃんが言った。


うーん?いつも1人だから深く考えた事なかったけど、確かにつまんないかな?


「でも、今日はソウちゃんがいるからつまんなくないよ」


笑って言ったら、パンを喉に詰まらせている。


「大丈夫?」


手を上げて「大丈夫!」と言ってカフェオレを一気飲みしている。


しばらくお互い無言でお弁当を食べるあたしと、パンを食べるソウちゃん。



居場所がなくて図書室に来なきゃいけないほど迷惑かけてるな、と実感する。


「あのさ、何かごめんね。迷惑かけちゃって・・・」


そう言うとキョトンとした顔をしている。


「何か噂になっちゃって・・・ごめんなさい」


「いや、別に。気にしてないけど」


(え?気にしてないのにコソコソとこんな所でご飯食べなきゃいけないの?)


「うるさいのが嫌いなの、オレ。人の噂とか全然興味ないし、持たれたくもない。オレはオレ。で、ルウコはルウコ」


そうあっさり言われると「そうかな?」と思える。


「山下も幹太も大げさすぎだっつーの。ま、ルウコだから仕方ないか」


「あたしだから?何で?」


あたしの言葉に笑い出した。わけがわからない。


「山下が言ってた通りだな、『ルウコは鈍いし天然』って。本当なんだ」


「明日香!余計な事言いやがって・・・あ!」


思わず出た悪態に慌てて誤摩化そうとするけど遅かった。
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