蒼空Letter

昼休みが終わるチャイムが鳴る。


「さてと、幹太に絶賛拉致られ中だから戻るかな?お前も山下に拉致られてるしね」


席を立ったソウちゃんに思わず声を掛けた。


「課題!当ったら約束守ってね!」


立ち上がったソウちゃんはちょっと考えてから、ニヤリと笑った。


「当ったらね。ルウコは当てれるかなー?サッカーは奥が深いんで」


(ムカつくー!!)


「あたし、ソウちゃんより頭いいから当ててやる!」


「オレがバカって事?腹立つな」


そう言ってデコピンされた。でも顔は笑っている。




図書室からソウちゃんが出て行くのを見ていたらオバサンと目が合う。


「何か、若いっていいわね。彼氏さん?」


その言葉で顔が一気に赤くなった。


「いや、うーん。の、予定の人です」


「あら、そうなの?爽やかな素敵な男の子ね」


と微笑ましそうにあたしを見た。



は、恥ずかしい・・・。

オバサンの存在忘れてた。


でも、全然緊張しないで喋れた。2人の方が気兼ねないし。


(口悪いの好きって言ってたし。・・・いや、言ってないけどOKだし)


いつもは長い昼休みがすっごく短く感じた。
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