蒼空Letter
家に帰って、今日一日の出来事を反芻する余韻もなく新聞のテレビ欄をチェック。
あった、9時から『ワールドカップ特集』。
テレビの前のソファーでビールを飲んでいるお父さんに「はい!よけて」とあたしがソファーを陣取ってチャンネル変更。
「お姉ちゃん!ルミ、ドラマ見たいー!!」
ルミがリモコンを奪いに来る。
「うるさい!小学生なんだからもう寝ろ!!あたしは忙しいの!」
「えー、サッカー番組!?そんなの録画するか部屋で自分で見なよ!」
(忙しいのにこのクソガキ!)
「ドラマ録画するから。ほい、録画完了!見たかったらあんたがあたしの部屋で見てよ」
あたしとルミのリモコンの奪い合いを見て、お母さんがキレた。
「ルウコ!ルミ!うるさいわよ!!ガキは2人共一緒!とっとと寝ろ!!」
『はぁ!?』2人でお母さんを睨む。
「お母さんは2時間サスペンスを見たいの!ルミは諦めて、ルウコは部屋!」
2人で『鬼ババア』とか『クソババア』と文句を言った。
「誰のお陰でご飯食べれると思ってるの!お母さんのお陰でしょ!」
「お父さん、反撃してよー」とルミが言うけど、苦笑い。
(あたしの口の悪さは母親似だ)
「お父さん頑張れ」
お父さんの肩をポンと叩いてあたしは部屋に戻る事にした。
「お母さん?お父さんもサッカー見たかったな・・・って無理ですね」
お父さんもトボトボと寝室のテレビに移動するらしい。