Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
あ、今の時代接吻って言わないか。って、そういうことじゃなくて!!
「~~~っやめて!! 何すんの!?」
「あれ? 賭け乗るんだよね?」
「…確かに乗ったけどっ…、なんでいきなりキ、キキッ……」
「キスって言いたいの? もしかして、初めてだった?」
また、キスができるくらいの近さまで顔を近づける桜庭竜哉。
なんか、さっきまでと雰囲気違うような……。
小悪魔?
てゆうかさっきキス、あたしのファーストキスじゃん!!
変人にあたしの初キス盗まれたぁああ!?
コイツ…絶対に許さんっ!
「あたしのファーストキス返してよっ! 初めては好きな人とって決めてたのに!」
あたしだっていちよう乙女だし?
好きな人と観覧車の頂上で…とか、ちょっとロマンチックなことも妄想したりしますよ。
「じゃあ、俺を好きになればいいじゃん」
「あ、そっか……って! そうゆう問題じゃない!!」
なんなのコイツ~。
全然王子じゃないしっ!!
みんな騙されてるんだ! 整いに整ったこの顔に!
「俺は勝つよ? 絶対に惚れさせるから」
うっ……。
その顔で言われると…ちょっとダメージが……。
でででも、負けない! 絶対負けないっ!
だって働きたくないもん!!
「あんたになんか絶対に惚れない! この盗人っ!!」
そう叫ぶあたしに対して、桜庭竜哉はフッと余裕の笑みを浮かべて去って行った。
くぅ~~、ムカつくっ!!
コイツ、絶対王子じゃないでしょ!
悪魔だ、悪魔!
悪魔め…。
絶対負けないんだからぁぁああ!!