Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
「王子と一つ屋根の下かぁ~……」
ハァ…とため息をつくゆーちゃん。
さっきまでタコさんウィンナー食べられて落ち込んでたのに…、百面相?
「なっ…なにさ?」
一つ屋根の下ってゆうか、あたしにとっては監獄みたいなものなんだけどさ。
もしも負けたら、変態野郎の専属メイドだし?
いや、負けるつもりはないんだけどさ、いちよう警戒しとかなきゃってことで。
それに、ママが帰ってくるまで住むとこないし…。
「いいなぁ――っ、さゆ!! 羨ましいよ」
「はっ?」
う、羨ましい!?
ゆーちゃんなんか変な物でも食べた?
頭打った?
羨ましいなんて…どっからその考えがっ!?
「だって、学園の王子と一緒に暮らすのよ? しかも超お金持の」
「…それが?」
「それがって……、まあ男に興味のないさゆには言っても意味ないか」
「はい?」
なんかあたし、今ちょっとバカにされた?
確かに、男に興味がないのはホントだけど。
ゆーちゃんの言葉にちょっとシュン…となりながら、デザートのウサギりんごをシャクシャクとほうばった。
あ、男に興味ないからって、あっちじゃないからね!?
ちゃんと乙女だから!!
ただ恋をしたことかないだけでさ……。
高校生にもなっておかしいかなぁ?
「さゆ、告白はされるのにねぇ。男に興味ないとか、人生の半分は損してるね!」
呆れた顔で言い言い放たつ。
ん? でも、ちょっと待って……。