Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~



「ああぁっ!!」


「はえっ!?」


ゆーちゃんはなんでいつも突然大声出すかなぁ?
毎回驚いちゃうんだけど…。


「な、何…ゆーちゃん。大声出して…」


「忘れてたのっ! 今日彼氏とお昼約束してたのに、さゆと食べちゃった…」

ありゃりゃ。それって、もしかしてあたしが悪い?

―――って…。


「彼氏ぃっ!?」


「え…うん…」


「ちょ…、あたし彼氏出来たなんて一言も聞いたことないけど!? いつ? いつ出来たのさっ!?」


今まで、どんなにカッコイイ人からも超お金持の人からの告白を断ってきたゆーちゃんが、彼氏!?

あり得ん。
どう考えても、あたしの知ってる人たちの中で、ゆーちゃんのハートを射止められる人なんて…いないんだけど…。


「ちょっと、さゆ…。落ちついてっ! 話す、今度ゆーっくり話すから!」


「今度!? 今話しなさい、今ここで!」


「ごめ~ん、ダーリンが待ってるからさぁ…。じゃあ、ちょっと行ってくるっ♪」


「ゆーちゃん!」…って呼びとめようと思ったけど、すでに遅く。
ゆーちゃんは、屋上に一人あたしを残し、愛する人の元へ行ってしまった……。



「はぁ…。ママといい、ゆーちゃんといい。なんでみんなあたしに大切なこと、言ってくれないのよ~っ!!」


みんなそんなに、あたしを信用してないの?
それって、ちょっと…いや、かなり悲しい人じゃない? あたし。



「…ったく、何叫んでんだよ。人がせっかく、気持ちよく寝てたのによ」


「あ…えっ!? なんであんたがここに!!」


振り向くと、そこにいたのは……。




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