Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
ピーンポーン――……
ん? 誰かお客さん?
台所の横の壁にあるインターホンを見ると、玄関の前に立っていたのは、このマンションの大家さん。
大家さん!?
もしかして、またママがなんかした!?
「…ど、どうしたんですか? またママが何か?」
大家さんにはママのせいで結構お世話になってるからなぁ。
最近は訪ねて来ることなんてなかったのに…。
「あら、紗柚菜ちゃん聞いてないの?」
「へ? 何のことですか…?」
―――なんか、嫌な予感……。
「ここ、三日後には契約期間切れるから、その間に引っ越してねって…。明美さんから聞いてない?」
「……は?」
ちょっと待って、そんなこと手紙には一言も…。
契約期間切れるって、つまり……。
「三日後にここ追い出されちゃう…ってことですか!?」
「まあ、そういうことになるわねぇ~…」
「…わ、わかりました――。三日後ですね……」
「ごめんねぇ~。約束は約束だから…」
「いえ、それじゃあ、三日後に……」
――バタン……