Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
そ、そうだった!!
あたしコイツにキスされて、気を失っちゃったんだっけ?
我ながら情けないな…。
恋愛初心者中の初心者じゃん。
まぁ、事実なんだけどさ――……。
てか、コイツ二回もあたしの唇奪いやがった!
……ホントは嫌なはずなのに、なんか…嫌じゃなかったな……。
むしろ、気持ち良かった――…って! 何考えてんだ、あたしはっ!!
これじゃコイツの思うつぼじゃんっ!
「何、もしかして図星だった?」
「な、ななな…」
伏せてるあたしの顔を覗き込んでくる、悪魔。
たぶん、あたしの顔は、ゆでダコみたいに真っ赤だと思う。
でも、ここはいつもの負けず嫌いレーダーが、察知。
「あんた自意識過剰じゃないの!? 誰があんたのキ…キキキスなんて…!」
「プッ…噛みすぎだし。それじゃ肯定してるみたいだよ?」
さっきとは違う、優しい笑みで、あたしの髪をゆっくりと梳く。
その動作に、思わずドキンと心臓がはねる。
「…ち、違うし! ただ、その、初めてだったから……ゴニョゴニョ……」
「へぇ~…。じゃあ、もう一回してみる?」
「え…!? け、結構です……」
アレをもう一回!?
死にます。白石紗柚菜、確実に呼吸困難で死にますっ!!
てか、なんであのキスで呼吸できるの?
いつ酸素取り込んでるわけ!?
「いつって…普通に?」
えっ…!
なんでコイツ、あたしの思ってることわかるの!?
エスパー?
コイツ超能力者か!?
「…さっきから声に出てんだよ。お前ホントに学年2位か?」