Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
性格悪いから、友達なんていないと思ってた。
自分以外は虫けらにしか思ってないかと…。
「プッ…」
「…白石さん。アイツのことそんな風に思ってたんだ…」
ははっと苦笑いを浮かべる佐野君。
隣のゆーちゃんはとういうと、手をたたいてヒーヒー言いながら、大爆笑していた。
「はっ…。あたしもしかして声に出てた?」
「うん。バッチリね」
あたしとしたことが…!
しかも佐野君はヤツの唯一の友達っ!…たぶん。
「お願いっ! どうかこのことは内密に…!」
この通りっ、と両手を合わせてせがむ。
そんなあたしを見て、まだ笑いが止まらない様子のゆーちゃん。
…あんた、そこまで笑わなくても。
ひどいヤツだ、親友のピンチをただ笑って見てるだけなんてっ!
「別に言ったりしないよ。安心しなって」
「あ…ありがとうぅ~!!」
ああ、なんていい人なんだ!
ゆーちゃんの彼氏さんはなんて優しいんだ!
神…この人が神様に見えるよ~。
それに比べてあたしの親友は…。
チラッと佐野君の隣を見る。
やっと笑いが収まってきたみたいで、涙を拭いながら呼吸を整えていた。
「も~、ゆーちゃん笑いすぎだよ!」
プーっと頬を膨らませるあたし。
「ごめんごめん。だって虫けらって…ハハハッ…! 王子に対してそんなこと思ってるの、この世界中でさゆだけよきっと」
世界じゅうって…。
いくらなんでもそれは言いすぎ。
確かに、表向きはすべてパーフェクトだけどさ。
アイツの裏の顔知ったらみんな気絶しちゃうよ!
ショックすぎて。
「竜哉、白石さんのこと気に入ってるんだよ。アイツが白石さんの話する時の顔見てればわかる。俺と話すときはいつも白石さんが出てくるしね」