Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
小野塚さん絶対あたしの話聞いてない……。
どうしよ~。
断り損ねちゃったよぉ……。
しかも小野塚さん、一人でペラペラしゃべってるから、言いだせないし……。
「…さぁ着きましたよ。この部屋に竜哉様がいらっしゃいます」
「あっはい……」
様ってことは、今会う人はきっと偉い人…。
こうなったら、会ってちゃんと断るしかない!!
それが一番いいよね。よしっ!
コンコン――…
「竜哉様、紗柚菜様をお連れしました。今日からここで働くメイドでございます」
だから、ここでは働かないつもりなんだけど……。
しかもメイドって…。
まっいいか。
今から断るんだし。
「失礼します」
小野塚さんが丁寧に伝えた後、ゆっくりとドアを開けた…。
「ああっ!!」
そこにいたのは、あたしの最大の天敵。
学園の王子様だった――……。