Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~



「でも、負けたら俺の専属メイドとしてずっと働いてもらう。そうだなぁ…。賭けの間は桜庭家の使用人として、働いてもらおうかな。もちろん、住み込みでね」


「…へ?」


負けたら、ずっと……?
それは、ちょっとヤバイかも…。


「どう? 悪い賭けじゃないと思うけど?」


「そ、そうね。賭けの内容によるけど…」


目の前には学園の王子がいて、賭けを申し込まれたのになぜか冷静な自分に少し驚いた。


いつもの負けず嫌いなあたしなら、即答でやるって答えるところだけど、今回はあたしの
人生がかかってますからね!


…人生はちょっと言いすぎかな?
でも、もし負けて学園の王子のメイドやってるなんてファンクラブに知られたら……。



ああ、考えただけでゾッとする。
ブルッと寒気を感じたあたしは、自分の体をギュと抱きしめた。



「賭けの内容は……、白石さんが俺に惚れるかどうか」


「……は?」


衝撃発言に気の抜けた声が出た。


だって、この人今なんて言った?
…あたしが惚れるかどうか?


今言ったことが本当なら、あたしは絶対……………勝てる!!


「乗った! その賭け乗った!」


「…へぇ、随分と自信満々だね」


「もちろん! だってあたし、あなたの事嫌いだし! 絶対好きになんか…―――んッ?!!」


な、なな何!?
今、何が起きてるの!?


目の前には桜庭竜哉のどアップに、唇にはフニっとした感触……。

も、もももしかして……接吻っ!?

あたし、桜庭竜哉と接吻してるぅ――?!!






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