それでも憎らしい君が好き。



『これでアリアは、もう抵抗できませんね』

なんてその男は言った。


アタシは俯いた。

急に黙ったアタシを不思議に思ったのか、その男は心配そうに顔を覗きこんできた。


それを見計らったアタシはその男に思いっ切り頭突きをくらわしてやった。


“ゴンッ!!”


静かだった室内に突如響いた鈍い音。


それをくらった男は一瞬だが、アタシの手を押さえ付ける力が緩くなった。

                                                
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