それでも憎らしい君が好き。
『最低馬鹿男...ですか。でもアリア、いい加減僕の事名前で呼んでくださいよ』
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そう、この馬鹿の発言から始まりアタシは押し倒される形に至ってしまったわけだ。
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なんて、それまでいけしゃあしゃあと喋っていた男が急に真剣な眼差しを向け、アタシに言った。
ひどく真剣な眼差しにアタシはその男の瞳に吸い込まれそうになった。
この男...流衣は、何故かアタシと話すときだけ纏う空気が変わる。
だからアタシはこいつの事がよくわからない、つかめないやつだと思っていた。
なのにこいつはアタシの全てを見透かしているようで怖かった。