それでも憎らしい君が好き。




『なによ?』

怖くなったアタシは恐る恐る聞いた。

すると男は、ニッコリスマイルをアタシに向け、


『今、僕に向かって“あんた”って言いましたよね?忠告したはずですよ?わざとやっているのですか...??まぁ、約束は約束ですから、ほら...ね?』


ハッとした。
しまった...やってしもた。
アタシの頭の中では音楽の授業で習ったベートーヴェンの運命が流れている。


自分でやってしまった事に酷く絶望してしまった。
                                                 
< 29 / 57 >

この作品をシェア

pagetop