それでも憎らしい君が好き。
『なによ?』
怖くなったアタシは恐る恐る聞いた。
すると男は、ニッコリスマイルをアタシに向け、
『今、僕に向かって“あんた”って言いましたよね?忠告したはずですよ?わざとやっているのですか...??まぁ、約束は約束ですから、ほら...ね?』
ハッとした。
しまった...やってしもた。
アタシの頭の中では音楽の授業で習ったベートーヴェンの運命が流れている。
自分でやってしまった事に酷く絶望してしまった。