それでも憎らしい君が好き。
(というか、“約束”なんてあっちが一方的に決めた事だし、アタシは一言も合意するなんて言ってなぁぁぁぁぁいいっ!)
一人床に手をつき“可哀相な少女”になり考えた。
よしっ!いっその事抗議しようといきり立ったアタシは男の方に顔を上げた瞬間、さっきよりも顔が近くなった。
男はだんだんと顔を斜めにしてそしてそのまま近付きアタシの唇にそっと触れた。
目を見開き硬直したアタシ。
目が合った瞬間、微かに男の口角が上がったのを触れている所から直に伝わってきた感覚で確信した。