それでも憎らしい君が好き。
目が潤みながらもアタシは、目の前の男を睨んだ。
すると男は、
『ごちそうさま』
なんて言いながら不敵な微笑を向けてきた。
アタシは一人俯きながら、肩を震わせた。
『.......だった..のに』
『はい?』
『ファーストキスだったのにぃぃぃ...うぅっ..』
なんて言うと、中々感情を表さない男が一瞬だけ瞳の中を揺らした。
これは焦っている証拠だ、なぜだかアタシは確信できた。