それでも憎らしい君が好き。




するとだんだんと焦りを見せはじめた男に何だかもっといじめたくなったが、なんだかそれはそれで可哀相に思えてくるので仕方なく断念した。


だからアタシはわざと陽気な声を出し、


『なーんてね、べーだ』

とベロまで出してやった。
本当は殴りたかったけど...


すると男は意外にも元気そうなアタシを見て少しばかり安心したように表情が緩くなった。


その顔を見たアタシも少し安心した。

                                    
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