それでも憎らしい君が好き。




それはあまりにも酷い光景だった。


あの頃のアタシはとにかく荒れていて、毎日のように喧嘩ばかりしていた。


喧嘩と言っても生ぬるいものじゃない。

毎晩、楓花サン達に気付かれないように家を抜け出し、仲間の所に行っては争いばかり。


その方が、その時のアタシは背負ってきたも全てを忘れられるから。


一人で眠るのが怖かった。

暗い闇に飲み込まれちゃいそうで。


だからアタシは喧嘩ばかり繰り返した。


勿論警察沙汰になった事も一度だってなかった。

                                   
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