それでも憎らしい君が好き。
家にいることさえも嫌になってきたアタシは、その時初めて深夜に家を抜け出した。
勿論気付かれないよう細心の注意をはらって。
そして出会ったんだ...
“彼女”たちに。
それからは毎晩懲りずに家を抜け出した。
傷を作って家に帰るのはいつも朝方。気付かれずにいたつもりだった。
その日もいつものように足音をたてずに自分の部屋へ行こうとした時だった。
後ろに気配を感じて恐る恐る振り返るとそこには楓花さんが不安気な顔をしてアタシを見ていた。