それでも憎らしい君が好き。




アタシはその男を睨んだ。


あぁ、なぜ“流衣”じゃなくて“その男”って呼ぶのかって?

こんな男、名前で呼ぶ価値なんてないからだ。


まぁこれも目の前の男には言えないことだけど。



いや、そんな事を考えている場合じゃなかったっ。

一刻も早くこの状況を脱出しなければ、などと考えているとその男が言った言葉で私は凍りつくはめになった。

                                              
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