慟哭の彼方


今にも泣き崩れそうだった彼が、その言葉に光を見出したかのように顔を上げる。


格好悪くても叫んでいいんだと教えられたような気がして。

顔を上げ、天井に向かって大声を張り上げる。

正しくは、天井の向こうの空にいるだろうあの人に向かって。



ずっと、好きだったと。


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