慟哭の彼方
「もういいよ。どうせお前は聞かねぇもんなっ」
ふてくされ気味に言うと、チェルシーは絵の具まみれの顔で微笑んだ。
美しい顔に散った絵の具がちぐはぐで、余計に美しく感じる。
「お前のそういう所、好きだよ」
ふてくされていたのも忘れてすごい勢いで彼女の方を振り返ると、彼女は切ない顔で遠くを見つめていた。
「…だから、お前とはこれだけ長く一緒にいられるんだ」
「そ、そういえばさ、さっきの願い事何だったんだ?」
チェルシーに歩み寄り、何とか話を変えようと頭を捻って出てきた話題。