慟哭の彼方


リイアが、リイアに、リイアは。

詳しいことは聞き取れない。

断片的だからこそ不安だった。


きっと、きっとあの人たちは。

「どっちがあたしを引き取るか、それだけで頭がいっぱいなんだ」


離婚したらどっちについていく?

そんなの答えたくない、想像したくもない。

愛されなくていい。

愛してくれなくていい。


だからあたしも、誰も愛さない。


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