慟哭の彼方


だけどあたしはいつもどこかで考えてる。


家族全員でまた笑いあえる毎日。

穏やかで平凡で、何より大切な時間を共に過ごすことができると。


そんな幻想、形になるわけがないのに。

だからあたしは「家族みんなで笑えますように」なんて願い事はしなかった。


夢も、希望も、捨てられますように。

理想を現実にしようなんて、絶対に思わなくなりますように。


だから、だから、あたしは、あたしは、あたしは。



「本当に、それでいいのか?」

…?


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