慟哭の彼方
気付けばチェルシーに抱きついていた。
子が母を求めるように、やっと見つけた自分の拠り所に飛び込むように。
「嫌だ…嫌だよぉぉ…!」
胸の奥深く、隠していた想いが飛び出す。
わかってしまった。
夢や希望を捨てた時、最後には何も残らないことに。
そこにあるのが、辛く悲しいものだけだと。
チェルシーがその頭を、ガラスを扱うよりも優しくなでる。
彼女が壊れないように、これ以上傷付かないように。