慟哭の彼方


自分もこれほど誰かに優しくなれる時が来るだろうか。

誰かを愛せる時が来るだろうか。


まだ少ししか人生を経験していないあたしには、未来なんて予想することもできないけれど。

それでもそこにあるのは、今よりも温かくて優しい未来であってほしい。


「願い事を、変えてもいいかな…」

魔女からの手紙にあった注意点は3つだけだった。


1つ、常に手元に置いておくこと。

1つ、絵を手に入れてしまえば、もう依頼は受け付けてもらえないこと。

1つ、一度絵を見てしまえば、願い事は取り消せないこと。


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