慟哭の彼方
どうしてかな。
まだ、絵を手に入れてもいないのに。
まだ、絵を見てもいないのに。
こんなにも早く、あたしの願い事は叶ってしまったみたいだ。
どうしてあんなに仲が悪かったのか、事の始まりは簡単なことだった。
「お前の進路を考えていたんだ。俺はいい高校や大学に進んだ方が、その後が安泰だと思ってだな…」
「私は、リイアが辛いなら進学なんてしなくてもいいと思ったの。それで、お父さんとケンカしちゃってね…」
なんだ、なんだ、なんて簡単で単純なこと。