慟哭の彼方
ベッドの上、自分を守るように膝を抱えて座り込みながら、彼女は自分の殻に閉じこもろうと必死だった。
言い争う両親の声。
会話と呼べないその会話の中には、自分の名前も含まれている。
今の居場所はきっと自分の居場所じゃない。
これが終われば、明日になれば温かくて優しい居場所に辿り着けるはず。
そう祈って、願って、もう何年目だろう。
不安定な空気は崩れないまま、ギリギリのところで繋ぎとめられていた。
けれどもそれが一番苦しかった。