慟哭の彼方
くすりとも笑わないハイゼルの言葉に、彼はすべての終わりを思い知る。
そうか、もう終わったのだ。
やわらかい雰囲気を醸し出す細い目に、笑顔は残っていなかった。
「ずっと嘘をついてたんだ。親友だなんて嘘だったんだ。お前に助けられたから、便乗しただけなんだ」
なんて苦しそうな顔で真実を吐くのだろう。
嘘をついていた時の方がずっと楽だったんじゃないだろうか。
「でも嘘をつき続けるのは嫌だから…。4年もかかったけど、本当のことを言いたかったんだ…」
人々が行き交う通りの中、ハイゼルは地面に膝をつく。
ここで誰かが冷たい言葉をかければ、きっと彼は泣いてしまうに違いない。