慟哭の彼方
どうすることが正解なのか、それは誰にもわからない。
彼にも、ハイゼルにも、そして“あの”魔女にも。
「本当のことを言ってくれてありがとう」
彼はハイゼルの肩に手を乗せる。
自分の方がいじめられっ子だったのに、今はハイゼルの方が臆病で弱く見えてしまう。
ここまで自分を変えてくれたのは、ハイゼルの他にいないだろう。
「それでも俺は、ハイゼルを親友だと思ってるよ」
嘘でも偽りでも、自分の中でハイゼルは確かに「親友」だった。
今日も明日も、それは変わらない。
それはなんて奇妙で歪な友情の形。
彼の肩から下がるバッグの中で、コツンと額縁の硬質な音が響いた。