慟哭の彼方
あの争いの中に入っていけば、間違いなく無傷では済まないだろう。
それが怖くて、傷付くのが恐ろしくて、彼女は何も行動を起こせずにいた。
けれどそれはつい最近までのこと。
今のあたしはもう違う。
あの人に依頼をするという行動を起こしたのだから。
絵が、魔女の描く絵さえあればあたしは…。
ガチャリとドアが開き、思わず竦み上がる。
母親が殴りつけるような鋭い声で彼女に呼びかけた。
「リイア!あんたに郵便来てるわよ」