慟哭の彼方
さらりとなびく銀色の長髪が陽光にきらめく様を見ながら、マイラスは思わず言葉を失くしていた。
これが魔女?
自分の想像とあまりにも違う。
もっと恐ろしく、もっと醜く、もっと年老いた老婆を思い浮かべていた。
それなのにここの魔女ときたらあまりにも凛々しく、あまりにも美しく、あまりにも若いではないか。
知らず、声が震えてしまう。
「ここの絵を見れば願い事が叶うというのは、本当ですか…」
「いいや、嘘だよ」
間髪入れず飛んできた否定の言葉に、マイラスは愕然とする。
そんな、嘘でしょう?