慟哭の彼方


魔女の警告にしっかりと頷き、マイラスは震える唇を開く。


いくら自分が願ったことだとは言え、恐ろしかった。

これを口にしてしまえばもう引き返せない。

もし本当にこれが実現してしまえば、私は…――。


「あなたの、願い事は?」

急に低く厳かな声で魔女が訊ねる。

それに答える前に、マイラスは小さく微笑みを浮かべた。


「教えてほしいの。あなたの名前と…そこの、男の人の名前を」


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